[フルート・ピッコロ] / [音楽]

クラシック初心者さんのための解説〜「オーケストラスタディ」ってなに?〜

何度かブログにも登場しております「オーケストラスタディ」についてのお話をしたいと思います。

 

登場した記事はオススメ曲を書いた時の記事が多かったかもしれません。

ドヴォルザーク交響曲第8番

ピーターと狼

 

この2曲はいずれもフルートの「オーケストラスタディ」によく登場する曲です。

では、オーケストラスタディとはなんなのでしょうか?

 

 

楽器・音響機器・舞台照明 サウンドハウス

 

 

オーケストラスタディってなあに?

「オーケストラスタディ」とは、その名の通りオーケストラを勉強するためのもの、と解釈して差し支えないと思います。

 

世の中には、偉大な作曲たちが書いた数多のオーケストラのための曲が存在します。

その中から、楽器ごとに活躍する部分を抜き出したものが「オーケストラスタディ」です。

長いので、「オケスタ」と略します。

 

その楽器が目立つソロだったり、演奏することが技術的に難しいところなどが載っています。

 

 

 

 

誤植が多かったり、曲が少なかったりするものの、この楽譜は必携品です。

フルート用ですが、後半にはピッコロのオケスタも掲載されています。

他の楽器のオケスタも同じシリーズが出版されています。

 

 

 

オケスタは何に使うものなの?

オケスタは、主にプロのオーケストラのオーディションなどで使用されています。

 

オーケストラ奏者になるためには、厳しいオーディションに合格する必要があります。

オーディションの課題はオーケストラによって異なりますが、

フルートであればモーツァルトのフルート協奏曲(ト長調とニ長調の2曲あるので、そのいずれか)と、

オーケストラスタディから何曲かが出されることが多いです。

国内外問わず、モーツァルトとオケスタが演奏できることはオーケストラ奏者にとって必須条件だからです。

 

 

一般的にプロのオーケストラは、1〜4日程度のリハーサル期間を経て本番を迎えます。

次から次へと本番をこなすため、主要な曲のソロなどはいつでも吹けるようにしておかなければならないのです。

逆に言えば、いつでも吹けるような人がプロのオーケストラに入ることができる、ということですね。

 

オーケストラのオーディションは基本的に空きが出るまで募集がかかりませんので、

入団したい場合は、そのチャンスが来るまでコツコツとこのオケスタに取り組んでおいて、

どの課題が出されても大丈夫なように準備しなければならないわけです。

 

 

 

どんな曲があるの?

では実際にどんな曲が掲載されているのでしょうか。

フルートの場合ですと、頻出課題はこの辺りです。

 

・ベートーヴェン/レオノーレ序曲より 冒頭、テンポアップしてからの速いソロ

・ブラームス/交響曲第4番より 第4楽章のソロ

・ラヴェル/「ダフニスとクロエ」第2組曲より 長大なソロ(2ndとの掛け合いまでが出る場合も!)

・ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲 冒頭の息の長いソロ

・プロコフィエフ/ピーターと狼 小鳥のソロ

・サン=サーンス/「動物の謝肉祭」より 大きな鳥籠

・ドヴォルザーク/交響曲第8番 第4楽章のソロ

 

などなど・・・まだまだありますが書ききれません😅

オーディションの場合は、このオケスタ達をたった一人で演奏します。

ピアノの伴奏などは基本的につきません。

 

テンポが正しく吹けているか、曲全体や他の楽器の動きを理解しているか、音程は正しく取れているか、

これらのソロを演奏するテクニックを持ち合わせているかどうか、

そもそも、ものすごく緊張する場面(オーディション)であっても、難しいソロが演奏できるかどうか

といったことがチェックされるのです。

 

オーケストラで本番を演奏すること自体が緊張することなので、

オーディションで緊張して吹けないようでは団員にはなれないという・・・

卵が先か鶏が先か見たいな話ではありますけども。。とても厳しい世界ですね。

 

ちなみにピッコロだと、

・ベートーヴェン/交響曲第9番 第4楽章のソロ

・チャイコフスキー/交響曲第4番 第3楽章の目立つところ

・ラヴェル/ピアノ協奏曲、「マ・メール・ロワ」

などがよく課される曲です!

 

 

色々なオケスタ楽譜(フルート用)

先ほど紹介したものが最も一般的なオケスタ楽譜ではありますが、

この中には載っていないものが課題曲として出されることももちろんあります。

 

なぜかというと、1つには、全てのオーケストラ曲を1冊で網羅するのはほぼ不可能であるということ。

当然といえば当然です。一体何曲あるんでしょう。。

 

もう1つは、オーケストラによって主とするレパートリーが異なるということが挙げられます。

例えば、大所帯のオーケストラであれば、モーツァルトやベートーヴェンよりも、

マーラーやショスタコーヴィチなどの編成の大きい楽曲の中から課題を出すでしょうし、

様々なソリストを招くオーケストラであれば、協奏曲の中から課題を出すことが増えるはずです。

古典派ロマン派をレパートリーとするオーケストラであれば、近現代の曲を課題として出す必要性はあまりありません。

 

なので(前置きが長いですが笑)、1冊だけではなく、色々なオケスタ本を探して自ら取り組んでいた方が、合格への近道になる・・・かもしれません(笑)

 

 

2巻タイプのもので、かなりの数のオーケストラ曲を網羅できているシリーズ。

ただし分厚いので・・・楽譜を開いておくのが少し大変です😅

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ピアノ伴奏が付属している楽譜もあります。勉強するのに便利です!

こちらはピッコロ用。フルート用も出版されています。

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他にもオススメ楽譜があるのですがリンクを見つけられなかったので、随時更新していきたいと思います。

 

以上、本日はやや専門的な記事となりました・・・♪

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